発行元 ハンス・ロスリング .
エディションノート
●DXの本質は
デジタル技術と合理的なマネジメントの融合
●実践する上で不可欠なのは
GAFAな働き方
サブスクリプションサービスの立ち上げ、バックオフィスのデジタル化などに成功して、デジタルトランスフォーメーション(DX)に成功したと考えてはいけない。
「デジタルビジネスの成功=DXの成功」ではないのである。
DXは、社内外の仕事を、デジタル技術を活用して、その品質、スピードを最大にして、コストを下げた上で、コストパフォーマンスを最大にすることを目指す。その成果を成功の基準とするのが正しい。
これを実践して成功しているのが、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)なのである。
GAFAのエンジンは、デジタル技術である。彼らはデジタル技術をテコに、外に向けてビジネスを展開している。それと同時に、そこで得た知見を従業員の働き方にも適用している。つまり、社内と社外のビジネスプロセスにデジタル技術を活用し、最適化している。GAFAやデジタルネイティブ企業にとってはDXは「今さら」なのである。
ひるがえって、一般的な事業会社には、リモートワークやサブスクリプションサービスの導入、バックオフィスのデジタル化、ポイント経済圏の確立など、デジタル技術にまつわる課題は山ほどある。こうした企業にとって必要なのは、現状のビジネスの全体像を俯瞰し、デジタル技術をテコに、その企業がもつ「アナログな強み」を活かしてビジネスモデルを再構築することだ。
そのビジネスモデルを遂行するのに、最適な仕事のやり方を探すのがDXの課題である。そして、その課題に対する答えが、GAFAのやっている仕事のやり方、つまり「GAFAな働き方」なのである。それを簡単にいうと、デジタル技術をうまく使って、生産性を「自分らしく」、つまり個々人にあったやり方で高めていくのである。
本書にはDXを可能にする「GAFAな働き方」を実践するための実践的な知恵がつまっている。
「DXを達成したい」と考えている経営者、「DXの推進、頼んだよ」と言われて困っている中間管理職、経営企画部の方は
得るものが多いはずだ。
【主な内容】
プロローグーーDXの実践にはGAFAな働き方が不可欠
第1章 GAFAな働き方を日本企業で活かす
GAFAな働き方と逆GAFAな働き方
カスケードーーリーダーシップの連鎖
本気で人材育成を行なう会社
ベストな日本型マネジメントを探る
アマゾンの働き方は素晴らしいが……
第2章 攻めのDXと守りのDX
アマゾンは意思決定と実行のスピードがなぜ速いのか
アマゾンの仕組みを日本企業に移植することは可能か
DXの定義の再確認
攻めのDXは大きく分けて5つ
攻めのDXの打ち手を比較する
守りのDXは大きく分けて5つ
第3章 デジタルビジネスに成功すればOKか?
「デジタルビジネスの成功=DXの成功」ではない
DXの成功とは何か?
DXは「企業の再設計」を強いる
従来よりも良い受け皿を用意する以外に手はない
AI導入を進める前にまず標準化
DXには大きく4つのタイプがある
第4章 DXの基本となるサービス型チーム
DXの基礎となるマトリックス型組織
サービス型チームをつくる
コミュニケーション改革
人材マネジメント
人材マネジメントのサイクル
第5章 改革に抵抗する人々とどうつき合うのか
DXを進めるのは難儀
まずは社内の仲間を探せ、抵抗勢力は後からついてくる
ギバーの力を最大化する
ギバーとマッチャーはどこにいるのか
ダイレクトに影響を与えることと枠組みづくりを分けて考える
ダイレクトな力と枠組みを使い分ける
第6章 DX人材のなり方・育て方
DXは変わりたいという人にチャンスを与える
GAFAで評価される人材とは
日本企業のDXで評価される人材とは
チャレンジ・約束・スピード
ハンター型とファーマー型ーー人材の持ち味で分類
全員で成し遂げるDX
変化に対するストレスを減らすコツ
心身を整えるためのHP/MPマネジメント
自分の価値を理解する
自律できる人材になる
世代・役割別DX成功のポイント
第7章 「守りのDX」リモートワークは成功するのか
守りのDXの重要課題であるオンライン会議
オンライン会議の体験を構成する要素
コロナ禍で問われる「オフィスとは何か?」
エピローグ─生産性を「自分らしく」高めるためのDX