発行元 宇佐見りん .
エディションノート
第164回芥川賞候補作
小説家で、人気(ひとけ)のない風景を描写するのが趣味の私。
サッカー少女で、中学入学を前にした姪の亜美。
2020年3月、コロナ禍で予定がなくなった春休み、
利根川の堤防道をたどり、千葉の我孫子からアントラーズの本拠地まで。
「サッカーの練習しながら、宿題の日記も書きつつ、鹿島を目指す」
姪と叔父の風変わりな旅が始まる。
「これでほんとに鹿島に着くのかなー」
「着くよ」成田線を跨ぐ高架に差しかかって「歩いてりゃ」と私は言った。(本書より)
本当に大切なことを見つけて、
それに自分を合わせて生きるのって、
すっごく楽しい。(本書より)
実力随一の若手作家の新たな傑作!